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◆活字中毒◆


小説や映画のレビュー
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向田邦子『思い出トランプ』
評価:
向田 邦子
新潮社
¥ 420
(1983-05)
コメント:この人の書くものは、文学だと思う。

 
 はい、こんにちは。再び『名作の食卓』より発見した作品を読みました。向田邦子さんは有名な人だと思いながらも没年が早いのですごく昔の人のように思えて手を出せませんでした。

 でも『りんごの皮』を見て読んでみたいと思ったので、収録されているこれを買いました。すごく短い短編ばかりで非常に読みやすかったです。ただ向田さんが書かれたものは文学なので、読むのに少しエネルギーを使いました。

 どれを読んでも、少しずつ体の中心が、きゅって絞められるような感じです。

 『かわうそ』の厚子が、私の中では一番いそうだから一番怖いなと思いました。女性と男性ってなにか決定的な違いがあると思うんですけど、それってこれだとあらわれていると思うんです。まわりでもよく言われますけど、配偶者をなくすと夫はすぐ後を追うように弱っていってしまうし、妻はそれなりに気丈に人生を歩み続けます。

 うちの祖母なんかは、1か月に1回くらい旅行に行っています。とても生き生きしているし、なんだかんだで毎日忙しそうなのでうらやましいです。

 そうなんにでも自分のエッセンスを加えて自分の舞台にすることができるんです、きっと。主役はいつも自分、という舞台をいかなる場所でも作ることができる人が女性には多いんだと私は感じます。

 自分が並以下の顔立ちだと、スタイルだと、知っていても鏡は見るし服にも化粧にも凝ります。それが日常と離れていればスーツだってある種ファッションショー、喪服を着た喪主なんて主役なのかもしれませんよ。

 男の人だってずるい人はいるでしょう、でも女の方がきっと巧妙で嘘だらけで頭がいいです。お金とかじゃなくて心がずるいと思います。だから女の浮気の方がずっと罪が重いです。だって体だけとかじゃ絶対にないから。その人の体を受け入れること自体にとても大きな意味があるからこそ「切れない関係」になる。

 大切な人が出来たって、その人がどれだけ大切だって、ほかのひとの目が気になる。そのひとと結ばれたいと思うのではなくて、その人が私に焦がれてしまえばいいと思う。

 これって私だけですかね。そういうしたたかさを女は持っていると思うんです。だから頭もおかしくなれるし、ヒステリックになるんだと思うんです。自分をごまかす術だと。





 なんででしょうね。
 たとえ妊娠中に夫が死んでも子を残せるように、でしょうか。
|00:12| 小説 | comments(2) | trackbacks(0) | posted by 鳥皮女 - -
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『阿修羅のごとく』だったか、男と女の持つ業をこれでもかと描いていた。あなたが書いている通りで、女は弱さも含めしたたかで嫉妬深く、愛憎深く、しなるように生き、かつ、肌を切り裂くように鮮やかに前を向く。そして、たいていの男は、女が本気をだしたら敵わないのだ。男は、幼く、浅はかで、弱いものだ。向田は、その男のダメさも女を色づける舞台装置がごとく描く。私もあなたと同様、そんな向田作品にキュッとさせられる、冷や汗を出してしまう。今年、父親を亡くしたのですが、葬儀での母は、悲劇に起立する女優のようでした。悲しみの深さからくるヒステリックな錯乱も含め。いずれ、私の母も一人旅に出るのでしょう。結局、向田は女の性を描くことで、男には何を求め、期待し、愛憎を向けたのか、まだわかりません。多分、向田自身、そんな読者は面倒とばかりに疑問をサッパリと切り捨て、砂漠へ旅する風景が目に浮かぶのではありますが。
posted by ヤマザキ | 2011/07/27 8:44 PM |
>>ヤマザキさん
 コメントありがとうございます。私の言いたかったこと、わかりやすいことばで表されていてびっくりしました。どうもオノマトペや読み手の推測力に頼ってしまっていつも自分の思うことが的確に表現できません…
 悲劇に起立する女優というのは、まさにぴったりな表現ですね。私も祖父の葬儀の際、祖母のきっとした顔つきを見て「女は強いとはこういうことか?」とおなさいながらに思ったものです。
 向田邦子さんほど、女性という生き物に文学的な、そしてわかりやすい文学のスポットライトを当てた人物を私は知りません。飛行機事故という(不謹慎ではありますが)ドラマチックな亡くなり方も、彼女の存在感を際立たせているように思います。その彼女もやっぱり女性なわけですけどね…
posted by 鳥皮女 | 2011/08/02 3:25 AM |
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